カンタータ《すべてのものはあなたを待ち望む》BWV 187 は、1726年8月4日、三位一体節後第7主日のためにライプツィヒで初演されました。福音書は BWV 107 と同じくマルコ 8:1–9(四千人の給食)。同じ主日に、二年前のコラール・カンタータ(BWV 107)とは異なる角度 —— 旧約と新約の聖句を軸にした対称構成 —— から「神の養い」を描く作品です。
テキストはマイニンゲンで刊行された1704年系の歌詞集に由来し、バッハのいわゆる第3年巻に特徴的な型をとります。すなわち、冒頭に旧約(詩編 104:27–28)、中央に新約(マタイ 6:31–32)、結尾にコラールを置き、そのあいだをレチタティーヴォとアリアが対称的に埋める七楽章構成です。親戚ヨハン・ルートヴィヒ・バッハのカンタータに触発された書法としても知られます。
演奏は二部構成で、第1〜3曲が説教前、第4〜7曲が説教後(聖餐式の場面)に置かれたと考えられます。第一部は被造物全体が神の手に養いを待つ光景を描き、第二部は山上の垂訓の言葉によって「思い煩い」からの解放を語ります。中央の第4曲 —— イエスの言葉をバスが歌う楽章 —— が、作品全体の神学的な要です。
編成はソプラノ・アルト・バス独唱、四声合唱、オーボエ2、弦楽、通奏低音。演奏時間はおよそ25分。のちに第1・3・4・5曲がミサ曲 ト短調 BWV 235 にパロディ転用されており、バッハ自身がこの楽想を高く評価していたことがうかがえます。再演は1730年代後半および1749年にも行われた痕跡が残っています。